こんにちはおがやです。
いつのころからでしょうか?
春より先に花粉を味わう毎日。年々酷くなっている模様です。
【春と言えば~】という出だしでさわやかなイメージを思い描きつつ書いていこうと思いましたが、
「春かぁ…花粉の季節…」
なんともはや、花粉が真っ先に思いついてしまうという(苦笑)
いやいや、それじゃダメですね、気持ちも文章も前向きにいきましょう!
春は暖かく新たな命が芽吹き、さまざまな花たち咲き乱れます。なにかを祝っているかの様ですね。春分の日などは字面(じづら)からも春を連想しますよね。
ということで、今回は春分の日にちなんで「お彼岸」についてお話ししてみたいと思います。春分の日とお彼岸、さて、どんなつながりがあるのでしょうか。
ちょっと長くなりますが、最後におはぎ講座もご用意してあります。小豆の煮方、もち米の炊き方など、お料理豆知識も是非参考になさって下さいね。ぜひ最後までお付き合いください。
お彼岸とは
お墓詣りをして、仏壇には『春は牡丹餅』『秋はお萩』をお供えし、西に沈む太陽を拝んでご先祖様と通ずる日とされています。
実は、他国の仏教国どこにもお彼岸はありません。お彼岸は日本独自の風習の一つになります。ちょっとびっくりです。
お彼岸の準備
準備といいましても、お盆の様に特別な支度は必要ありません。お墓詣りをするという決まりも実はありません。
決まりはありませんが、お盆は向こうから、お彼岸はこちらから彼方へと通ずる時とされていますので、ご家族揃ってお墓詣りされてはいかがでしょうか。
お彼岸はいつ?
お彼岸の日は年に2回、春と秋にあり毎年微妙に前後するので毎年確認して下さいね。春は3/20か21が春分の日、秋は9/22か23が秋分の日となります。
なんでお彼岸が年に2回もあるか分かりますか?同じ行事が2回もあるのって何だか不思議ですよね。
それは、お彼岸そのものに信仰的な意味合いがあるからなんですね。
春は『春分の日』秋は『秋分の日』を中日とした前後3日の1週間がお彼岸です。春秋共に、初日を彼岸入りそして中日が祝日となり、最後が彼岸明けになります。
この中日に注目です。
毎年、彼岸の中日には、太陽は真東から出て真西に沈みます。この彼岸の中日の日の入りを拝むことで、真西にある極楽浄土に向かって拝む事が出来ると言われています。
極楽浄土というものが真西にあり、春と秋の年二回だけ太陽がその真西を正確に指し示す為、日本古来より、この日は祝日として大事にされて来ました。
お彼岸には何を食べる?
当ブログは食に関することが中心ですから、このを取り上げないわけにはいきません。お彼岸には、必ず出てくる食べ物があります。さぁ、なんでしょうか?
答えは落雁(らくがん)とおはぎ。お彼岸といえばおはぎですよね!
そしてお盆も大活躍の『落雁』お彼岸になると、店頭にお萩と共に並んでたりしますね。こーいうの、見覚えありますか?
どちらも昔ながらの甘い砂糖菓子。古来よりお砂糖は貴重品だった為、お供えにはこの砂糖菓子が付き物でした。
高級な砂糖を沢山使った砂糖菓子をご先祖様にお供えする事で敬意を表したのですね。まれに、春秋どちらもおはぎの地域もありますが、『春は牡丹餅』『秋はお萩』と名前が違うことはご存知ですか?
こここらは、年に2回あるお彼岸のおはぎと牡丹餅の違いについて書いてみます。
牡丹餅と御萩は何が違う?
伝統行事なのでやはり地域によって様々ですが、基本は牡丹餅がこしあんでお萩がつぶあんです。
そう、違いはあんこ。どちらにも小豆ともち米が使われているのに、使われているあんこが違うんです。
なぜ違うのでしょう?
それを解く鍵は、収穫時期にありました。
春(4月〜6月)に種を蒔く小豆は、秋(9月〜11月)に収穫されます。秋に収穫してすぐの小豆は皮まで美味しいので『つぶあん』に。春には皮が硬くなってしまうので皮を取り除いた『こしあん』にして食べるのがベストなんです。
では、なぜお彼岸のお供えの砂糖菓子にお萩が選ばれたのか?
その謎も解明しましょう!
お萩・牡丹餅をお供えする理由
お萩と牡丹餅、どちらもあんこと餅米で出来てますね。
あんこに使われる小豆の赤は魔除けであり、邪気払いとして用いられます。また、古来より多くの行事に用いられている小豆は、五穀豊穣の願いを込めた品の一つでもあります。
そこにもち米が合わさる事であんこと餅同様、ご先祖様と自分達が心合わせるという意味を持つのです。
古来より高価な砂糖菓子と五穀豊穣を願う小豆とを用いる事で、格の高いお供え物とされて来たのですね。
そんな『牡丹餅』と『おはぎ』について少し詳しくご説明させて頂きましょう。
まずは牡丹餅から。
牡丹餅(ぼたもち)
まず、漢字を見てみて下さい。
牡丹餅(ぼたもち)と書きます。
牡丹餅の『牡丹』(ぼたん)とは、春に大輪の花をつけ春を賑やかにしてくれている牡丹の花の事です。この春に咲く大きな牡丹の花から牡丹餅という名前がつきました。
牡丹餅にはこしあんです。
春に使う小豆は皮が硬いので、皮をを取り除いてこしあんにし、牡丹の花の様に大きくまぁーるくつくります。
こしあん牡丹餅食べたくなってきました。
続いて、おはぎ行ってみましょう!
御萩(おはぎ)
おはぎという字は御萩(おはぎ)こう書きます。
萩(はぎ)とは、秋の七草の一つで、万葉集・和歌・俳句などで最も良く使われている秋を代表する植物です。
『御萩』のつぶあんの粒が、この萩の花に見えた事から、この名前がつきました。そしておはぎは、萩の花の様に上品に小さく俵形にまるめられます。
では、次はお待ちかね(?)のおはぎと牡丹餅の作り方に参りましょう。美味しい緑茶と共にお召し上がり下さい。
おはぎと牡丹餅の作り方
私が小さい頃、母方の祖母が作るお萩が大好きでした。祖母のお萩は甘すぎない餡子。甘さを抑える事で、小豆の味がしっかりしていて餅米の甘さも味わえ何個でもいけましたね。
あなたのおばあちゃんの味は何ですか?
私はいくつもの料理を祖母から教わりましたが、祖母と同じように作っても中々同じものが出来なくて不思議に思っていました。今思うと「愛情」というスパイスが加わっていたからなのでしょうね。
では、まずはじめにお萩から。
お萩の作り方
=材料=
小豆 300g
きび砂糖 200g
もち米 1cup
お米 1cup
塩 適量
※こしあんも材料は同量です。
※7までこしあんも作り方は同じ。
=魔法の道具=
木ベラか麺棒 1本
濡れ布巾 1枚
きび砂糖 適量
=作り方=
1、お米ともち米を合わせて洗います。もち米が入るので水に浸さなくてもOKです。
2、1に水を入れ炊きます。水加減はお米を炊く時よりやや少なめに。塩も少々いれておいて下さい。
3、小豆300gをザルにあけ、軽く水洗い。
4、お鍋にたっぷりの水と洗った小豆を入れ煮立たせます。
5、煮立ったらザルにあけ鍋にたっぷりの水と煮立った小豆を入れ、再度煮立たせます。コレを後1回やります。
6、再度鍋に茹でた小豆をもどし、今度は小豆がヒタヒタになる程度のお水を入れて下さい。
7、弱火でひにかけます。小豆が水から出ないように水差しながらゆっくり柔らかくなるまで返しながら煮て下さい。※灰汁取りを忘れずに。
8、煮えてやわらかくなったらきび砂糖200gを投入。塩をパラパラっと加え更に煮詰めて水分を飛ばします。※砂糖を入れるのが早すぎると、小豆が柔らかくならなくなっちゃうので要注意です。
9、まだユルイってとこで火を止め木べらで練っていきます。
10、そのまま冷まします。餡子は冷めたら硬くなります。
11、濡れ布巾を用意して餡子を片手分置いて布巾をかけておきます。
12、お米が炊けたら15分ほど蒸らします。
13、蒸らしたらボウルにあけ、木ベラを濡らしながらつく様に混ぜます。
14、米粒が潰れたら手を濡らし砂糖をすり込みます。←くっつかない魔法。
15、片手に入る程度のお萩餅を丸めます。
16、丸めたお萩餅を11のあんこの上に置いて布巾ごと丸めます。←くっつかない魔法。
お萩の餡子魔法は、手で直接あんこをさわらないという約束を守る事で掛けられます。
お萩餅の魔法はお砂糖でバリアです。
続いて牡丹餅!
中身は同じなので、こしあんの作り方をどうぞ。
牡丹餅こしあんの作り方
お萩の作り方の7まで同じです。
では、いきましょう。
1、7でボウルとザルを用意して、鍋からザルへ小豆を移します。茹で汁はボウルにあけておいて、捨てずに取っておきます。
2、湯水をきった小豆を違うボウルに置き、スリコギで潰します。
3、2に茹で汁を加えながら潰し続けます。
4、もう潰せないとこまで来たら、木ベラを使ってこしていきます。
5、ザルに皮だけが残ったら皮は捨てます。ザルを洗って、布巾をザルに敷き入れてください。
6、布巾の上に、こし餡4で出来た餡を流し入れます。
7、絞って水分を取ります。
8、水分がキレた餡を鍋にもどし、きび砂糖を投入。塩も少々振って溶けるまで混ぜます。
9、溶けたら鍋を弱火にかけて木ベラで根気よく練り続けて下さい。
10、ツヤ感が見て取れて、鍋底が見える硬さになったところで火から下ろします。
これでこしあんの完成です!
こしあんもつぶあんも、そのまま冷凍保存出来るので、たくさん作り置きしておいても良いでしょう。
きな粉、ゴマ、抹茶などをかけて違った色や味もお楽しみ下さいね。
良いお彼岸をお過ごしください。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
お彼岸と一口に言ってもそこにはいろいろな文化や伝統が含まれていましたね。
おはぎと牡丹餅の作り方に関しても「これじゃなきゃダメ!」というルールはありません。お好みで各分量などを変えてみたりしながら、あなた自身の【オリジナル】を作っていってみてはいかがでしょうか(^^♪
長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。それではまた別の記事でお会いしましょう!