毎日のようにお世話になっている卵。お店でもたくさん使用します。個人的にも1日1個は食べているのではないでしょうか。「卵の食べ過ぎはよくない」とか「コレステロール値が上がる」とかなんとなく悪者扱いされるいっぽう、「卵は完全食であり美容や健康に良い」などのようにもてはやされる場合もあります。
いったいどっちなの?(笑)
わたしたちにとってとても身近な存在である卵のことをもっと深く知っても良いのではないかと思いいろいろ調べてみました。あ、あと賞味期限なんかも気になりますよね。
卵のことを調べてみよう。
卵の大きさ(規格)
まずは卵の大きさから。これは農林水産省の「鶏卵の取引規格」といったものに準じています。お店をやっていると箱買いする場合もありますが、普通の家庭ではスーパーなどで売っている6個入りパックとか10個入りパックなどで購入することがほどんどではないでしょうか。
ちなみに箱で購入するときは卵の個数ではなく「10㎏=1箱」という単位になっています。ですから厳密に言うと、サイズ分けは大きさというより重さで決めているといったほうが良いかもしれませんね。
はい、このように下記を見ていただくと分かりますが、グラム単位で細かく別れています。
LL | 70g以上76g未満 |
L | 64g以上70g未満 |
M | 58g以上64g未満 |
MS | 52g以上58g未満 |
S | 46g以上52g未満 |
SS | 40g以上46g未満 |
このほかにも重量区分がされていないミックス(MS~LL)といったものもありますね。あと、これはご存じない方が多いと思いますが、じつは卵のサイズにかかわらず黄身の重量はほとんど変わりません。重さの違いのほとんどは白身。ですからメレンゲなどのように白身をたくさん使う場合はサイズが大きいほうが良いでしょうし、逆に黄身だけを使う場合は小さなサイズ、といったぐあいに用途によってサイズを選べば良いのではないでしょうかね。
(追記:ここ最近、注意深くチェックしていると、黄身の大きさが明らかに違うものをいくつか確認いたしました。これからもチェックしていきますが、ごめんなさい、いったん上記訂正させていただきます。)
卵のカロリーと栄養価
若い頃ならいざ知らず加齢とともに新陳代謝も落ちてきますので、カロリー摂取量も見てみぬふりってわけにはいかなくなっています。とほほほ。とくにダイエットなどをしていますと食材ひとつひとつまで気になるところ。
では卵のカロリーと栄養価はどんな感じなのでしょうか?
卵1個60g(Mサイズ)のカロリーと栄養価
カロリー 94㎉
タンパク質 7.38g
脂質 6.72g
炭水化物 0.54g
カルシウム 33㎎
ナトリウム 78㎎
カリウム 72㎎
マグネシウム 6㎎
リン 120㎎
鉄分 1.08㎎
亜鉛 0.84㎎
ビタミンB1 0.05㎎
ビタミンB2 0.29㎎
ビタミンE 0.66㎎
etc.
Mサイズの卵1個で約100㎉は決して多くはないと思うのですが、いかがでしょうか。
上記以外にもビタミンCを除くほぼすべての豊富な栄養素を含んでいるので意識して摂取しても良いのでは?と思います。特にタンパク質は多く含まれていますね。そしてこのタンパク質はとても良質だといわれています。
でも、気になるのがコレステロール。やれ善玉だ悪玉だ、などといわれていますが、卵を食べるとコレステロール値は上がってしまうのでしょうか?
卵でコレステロール値は上がらない?!
昔は「卵はコレステロールが高いからあまり食べてはいけない」と言われていました。しかし本当に卵を食べるとコレステロール値が上がってしまうのでしょうか?
結論から言えば、答えはNo
これはたまご好きには朗報ですね(笑)たしかに一日に5個も10個も食べるのはダメでしょうが、常識的な範囲の1個や2個ではコレステロール値は上がらないといわれています。
卵黄にはレシチンといわれる物質を多く含んでおり、このレシチンさん、体内の細胞になくてはならない栄養素を吸収し、いらなくなったものを排出するといった、なんとも頼もしい物質で、血中の飽和したコレステロールを溶かして運ぶといった作用もあり、細胞や血中のコレステロール値を調整しバランスを保つ役目をしていると考えられています。
そもそもコレステロールは体内で作られていて不足した分を食事で補うといったものですから、そんなに目の敵にしなくても良いのではないでしょうか。
では次に美容と健康についてみていきましょう。
卵のアンチエイリアシング効果は抜群?!
人間にとってなくてはならない栄養素を多く含んでいる卵。もちろん細胞の活性化に一役も二役もかっていますので老化防止にもなりますよね。さすが完全食といわれているだけあります。
脳を活性化
卵には卵黄コリンという物質が含まれています。このコリン、脳を活性化させボケ防止であったり記憶力アップといったものが期待されています。アルツハイマー病の予防にも役立つと言われ日々研究されています。
美肌効果
良質なたんぱく質とアミノ酸を多く含む卵は美肌効果にも期待が持てます。また、これもコリンのおかげなのですが、皮膚の細胞の活性化に重要な働きをし、シミや肌荒れなどの予防にも効果があると考えられています。
肥満防止
肥満になる原因はいろいろありますが、ようするに不要な脂肪の蓄積を抑え、脂肪そのものの代謝をスムーズに行える体になれば根本的な肥満の防止策になります。卵にはこの活動を活性化させる作用があり肥満体質になりにくい体を作る役目を担っています。
やはり毎日1個くらい食べたほうがよさそうですね。
次は賞味期限などをみていきましょう。
生卵の賞味期限は?
卵のサルモレラ菌の増殖が行われない期間を賞味期限にすると厚生労働相が所管する食品衛生法で定められています。これは平均気温や保存温度などの過去のデータに基づき科学的に割り出されています。これによると、
〇春期(4月~6月) 採卵後25日以内
〇夏期(7月~9月) 16日以内
〇秋期(10月~11月) 25日以内
〇冬期(12月~3月) 57日以内
とされていますが、実際にはより安全に安心して食べられるようにと、賞味期限をもっと短めに設定しています。また、賞味期限を過ぎても加熱調理をすれば食べられますが、できるだけ早めに食べることが前提です。
ちなみに加熱調理の時間ですが、70℃で1分以上とされています。あと、ひびの入った卵も生食は控え加熱調理したほうがいいでしょう。
あとがき
よく考えたら当たり前なのですが、卵にはひよこが生まれ育つのに必要な栄養素が詰まっているので栄養価がないわけない、のですね。ただし、過ぎたるは猶及ばざるが如し。常識の範囲内で食べましょうね。
あと高脂血症や卵アレルギーの人、コレステロール値の体内調整がうまくいっていない人なども注意が必要なのでお気を付けください。
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