飲み屋さんやお寿司屋さんなどでたまーに「お愛想してください」とか「大将、お愛想」などといわれる方を目にします。
この「お愛想」という言葉、うっかり使うと周りの人から失笑をかう、なんてこともあるかもしれません。
あなたは大丈夫ですか?
今回はこの「お愛想」をテーマにして本来の使い方や由来を取り上げてみたいと思います(^^♪
お愛想とお勘定の意味
お愛想をひも解く
結論から言うと「お愛想」は本来お客さんが使う言葉ではありません。
昔、ひとつのお店に通い続ける、いわゆる常連さんが勘定の一割をわざと払わずに次回のツケにして帰っていました。「また来るよ」っていう意味でね。
まぁそれが「粋(いき)」ってことだったのかな?ツケておくことで双方が「繋がっている」という意識をもっていたのかもしれません。だから逆に、全額払ったら「もうこの店には来ないよ。」ってこと。つまり、この店に愛想が尽きたってこと。
で、その時にいう言葉が「ツケにしないのはお愛想づかしだけど…」で、これは関係性を断ち切ってほかの店に行く、という決別の言葉なのでした。
時代が移り変わり、ツケの文化(?)がなくなってきて、勘定を全額払うのが当たり前になっていく中で、お店の人間がお客さんに対しては「愛想がなくてすみません」と言って代金を受け取り、店の人間同士では「○○さんお帰りだよ、お愛想してー」というふうに使い方が変わっていったのです。
要するに「お愛想」っていう言葉はその店には二度と行かないという宣言ですからね、店側からすると真顔で「お愛想お願いします。」なんて言われたら…
ひぇぇぇぇ、おっかないですねぇ。
勘定合って銭足らず
ではお勘定ですが、これは平安時代に物や金銭を数える意味として使われていて、江戸時代に入り代金や見積もり金などという意味にも使われるようになったとされています。つまり「金銭のやり取り」を表す言葉ですから、「お勘定ください。」や「マスター、お勘定!」は何も問題ないわけですね。
でも、これも真顔で「お勘定お願いします。」って言われたら…
これはこれでドキッとしますが。
まとめ
飲食店で支払いするときに使われる言葉はほかにも、「お会計」や「チェック」なんかもありますね。あと、言葉は出さずに両手の人差し指でバッテンを作るとか。
正直お店側の人間からしたらどれを使われても気にしないっていうのが本音かな。気持ちよく帰っていただけたならOK
本来の言葉の意味からしたら「この店は愛想がなくてダメだ」ってことなんで、使わないに越したことはないかもしれませんが、まぁ不幸にもあなたが本当にダメな店に入ってしまったら、そのお店の人間が分かるかどうかは別として堂々と「お愛想!」と言っていいと思います。
うちは、なるべくなら、ご容赦いただけたら、云々かんぬん…